富士山の美しさの秘密は“石”にあり

こんにちは。宮城県加美郡加美町のさいとう⽯材店です。
7月の初旬、富士山の山開きが行われます。富士山は日本一高い山であるとともに、その円すい形、左右対称という形状の美しさにより、日本の象徴ともされるとても人気の山です。コロナ明けは、多くの外国人観光客も登山に来るなど、大変な混雑ぶりで話題になっていますね。

なぜ富士山はあのような形になったのでしょう。その理由の一つは、富士山をつくる玄武岩にあります。
富士山は4階建ての構造になっていると言われています。富士山は火山であり、数十万年もの間、噴火を繰り返し、1万年前にようやく今のような姿になりました。
数十万年前の「先小御岳」「小御岳」までは粘性の強い安山岩やデイサイト、玄武岩からできており、形も今の富士山とは違っていたそうです。

10万年前に活動を開始した新富士の原型である「古富士」、1万年前から現在表面に見えている「新富士」となって現在の富士山の形になりますが、これらは玄武岩でできています。重要なのは、玄武岩マグマの「粘性が低い」という性質。「古富士」以降、つまり約10万年にわたり噴出し続けてきた玄武岩のマグマは粘り気が弱く流れやすかったため、裾野まで薄く広がり、徐々に今の美しい富士山を形づくってきたのです。

我々石屋に馴染み深い玄武岩といえば、六方石という石があります。これは玄武岩の溶岩が冷却し収縮する時に出来た、断面が五角形や六角形の柱のような細長い石材です。
その独特な色合いと形状の面白さから、庭石などに使われています。灯篭として加工されたり、おしゃれな彫刻を施されたオブジェとしても作られていますので、名前は知らなくともどこかでご覧になられているかもしれません。(当店でもご案内できます。ご興味がありましたらお問合せ下さい。)
富士山の景観や、六方石といった、人間の想像力を超えた絶妙な形を作り出す地球の力には驚かされますね。

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